光の玉をレガリアと見る
レガリア(王権の象徴となる宝物、Wikipedia)の一つに、グロブス(globus)というものがある。日本語では宝珠とされる。地球をかたどったものであり*1、支配の象徴でもある。
これを知って連想したのが、光の玉である。グロブスを描いたものの中には、世界地図の片隅でシバの女王が黄金のそれを手にしたものもあるし、そもそも宝物だから貴金属で作られるものだけれど、やはり光の玉は地球ではなく太陽の象徴であろう。その太陽を手にするということが、支配を意味することは同じだろうが。
象徴、というのもいい。つまりは象徴の対象と同一ではない、ということだ。DQ3においてアレフガルドに持ち込んだ時点では昼が来なかったことも、陽が昇っても光の玉が手元に残り続けたことも、光の玉が太陽そのものではないと考えれば納得できる。
光の玉はアレフガルドのためのもの?
光の玉が太陽だとしても、それが「上の世界」からなくなったというのに、特に変化はなかった。ということは、光の玉はアレフガルドのためのものだったということだろうか? ならば、竜の女王は精霊ルビスの世界創造に助力していて、光の玉の所有者ではなく製作者だということになるのだろうか?
ならば、竜王が光の玉を奪ったのは、母のものを取り戻すという理由だった、という話は誤解ということになる。
光の玉と太陽の石
光の玉を太陽と見立てると、太陽の石と存在が被ってしまうように見える。しかし、光の玉は上記の通り太陽の象徴、太陽の石は太陽の力(の一部)を秘めたもの、と、捉えれば、それぞれ意味合いが異なる別のものとなる。
月の紋章と月のかけらのような関係か。
光の玉を奪われて
DQ1では竜王に光の玉を奪われることになったが、アレフガルドは(おそらく)依然として陽の射す、森や緑のあふれる世界である。
つまりは、光の玉を竜王が手にしたことでアレフガルドの支配権は彼に移ったのだろうが、陽光をどうこうする気はないのだろう。とはいえ、その光はもはや人間のためにではなく、魔物たちのために照らされているのかもしれない。
光の玉はどこにある?
物理的に、光の玉を竜王はどう持っていたのだろう? 人間形態でも、ドラゴン形態でも、光の玉を持っているようには思えない。人間形態では胸元に大きな宝玉を身に着けているが、あれは赤色で違うように感じる。
また、竜王を倒した後のメッセージからも、
りゅうおうを たおした !
そして ひかりのたまを
りゅうおうのてから とりもどした!
あなたが ひかりのたまを かざすと
まばゆいばかりの ひかりが
あふれだす……
竜王の亡骸のどこから光の玉が現れたかはよく分からない。しかし、ゲームブックでは*2、竜王が呑み込んでいたことになっている。そう思えば、竜王の衣装の丸くて赤・黄・白の三色が同心円状になったあの大きな襟も、後光のように見えなくもない。
とはいえ、あの竜をかだどった杖に光の玉を咥えさせるのも、絵柄として悪くないのではないだろうか?
DQ2での光の玉
光の玉はいわゆる「下の世界」において、最重要な物品であるはず、なのだが、DQ2では影も形もない。これは何故なのだろう?
二つほど理由を考えてみた。
まず、諸王国と大神官ハーゴン、人類同士の、いわば内輪の闘いであるというもの。
もう一つが、ハーゴンは世界の破壊が目的であって支配なんか求めていない、というもの。
しかしどちらにせよ一言の言及もないというのはちょっとおかしいと思う。DQ1の反省からよほど安全な場所に保管されているとでもいうのだろうか?
ここで思い浮かぶのが、DQ1にあってDQ2にはないアレフガルドの地物である。確かに、メルキドほかの町や村は衰退消滅したのかもしれない。しかし、「ロトの洞窟」・「岩山の洞窟」、あるいは「ガライの墓」といったダンジョンが、隠されてDQ2の主人公たちには見つけることのできない保管場所となっているのかもしれない。