ブログ「竜王五代」の案内

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 分かりにくいものだけ解説します。

このブログについての補足


「竜王五代」とは :一番初期の紹介文。


 ご意見・ご感想・誤字脱字誤用の指摘コメントはご自由にどうぞ('20/5追記)。

対語のようでいて

 たとえば、「明るい」と「暗い」。これは確かに対語である。

 しかしこれらに「記」の一字を付け足して作られた熟語のうち、「明記」の方ははっきりと記述することだし、「暗記」の方は(まるで陰で記しているかのように)覚え込むことで、全然意味が違う。

 こういう対語のようでいてそうじゃないもの、他にもないかな?

なんだいミステリ研シリーズの一覧

 光原百合先生の創作した、吉野桜子を主人公とし浪速大学ミステリ研究会(通称なんだいミステリ研)を舞台とする小説群の一覧の覚え書き。

 

〇「遠い約束」 創元推理文庫、桜子の大おじの遺言を巡る長編。

 

文春文庫「やさしい共犯、無欲な泥棒」に再録

〇「やさしい共犯」 例会で出くわした青年男女四人組との話

〇「無欲な泥棒ーー関ミス連始末記」 イベントで起きた奇妙な盗難事件

 

〇「わが麗しのきみよ……」 祥伝社文庫「翠迷宮」に収録。桜子が執筆したという体裁の短編推理小説とそのおかしなオチ。

 

〇「橋を渡るとき」 汐文社の単行本「涙と笑いのミステリー (絶対名作! 十代のためのベスト・ショート・ミステリー)」ほか、複数のアンソロジー採録。桜子の兄が推理する、ある少女の橋を渡ることへのトラウマの真相。桜子たちは登場しない。

古アレフガルド

 ドラクエの世間では、ドラクエ1のマップであり、ラダトーム竜王の島のあるあの諸島の地名がアレフガルドであるのはよく知られている。

 ただ、一部の設定では、上記の諸島をその一部とする、ドラクエ2のワールドマップ全体を指して、アレフガルドが用いられているそうだ。しかしそれは誤用の類いだろうとずっと思ってきた。

 しかし、地名は拡大することもある。県庁所在地の地名がそこの県名としても採用された事例はことかかないし、今の奈良県を指す「大和」は日本国の異名の一つでもある。アナトリア半島を指す「アジア」は大陸全体の名前となった。

 だから、諸島名かつ世界名であったアレフガルドが、世界のほうが広がるにつれて、範囲の異なる二つのものを指すようになるのはおかしくないと考える。

 ただその場合、広さの異なる両者を区別する言い方ができることもある。アナトリア小アジアと呼ぶ類いだ。

 アレフガルドの場合は、「元の」という意味を込めて「古アレフガルド」としたい。

 

 それにしても、創作での世界名というのは時に奇妙なものだ。作り手や受け手は、この現実世界やほかの創作世界があるのを知っているから区別のためにも世界に名前をつけたがる。しかしその世界に住むものの目になれば、普通は唯一無二のもので、ただ「世界」と固有名詞なしで呼ぶのが当然だろう。

 しかし、アレフガルドは違う。いわゆる「上の世界」という比較対象を持っているからだ。「ここは闇の世界アレフガルド」というセリフが代表的だ。

花は散るために咲くのか

 「花は散るために咲く」という言い回しが、阿刀田高先生の小説「怪しくて妖しくて」に出てきた。原典は知らない。

 かなり強い文句である。反感を覚えるし、反論したくなる。

 しかし、これを逆にして(対偶ではない)、花は永久に咲くように出来ているか、と考えてみれば、そうではないと気付く。花は種や実をつけるための道具であり、目的が果たされれば(あるいは、目的が達成不可能となれば)破棄されるように想定されたものである。ゆえに、冒頭の文句は、あながち間違ってはいないというところに私は至った。

SF的日付

 月の10日を「とうか」、20日を「はつか」と呼ぶように、30日は「みそか」とも言い、転じて月の末日のこともそう呼ぶ。そして大まとめの年末は「大みそか」だ。

 しかし思えば、かつての旧暦(太陰太陽暦)では月の日数は29日か30日に決まっており、31日というのはあり得ない、馬鹿げているとしか聞こえない日付だった。そんな江戸時代までの人間に、12月31日は大晦日だと言ったら、SF的に聞こえるのだろうな、とふと気づいた。