2023-01-01から1年間の記事一覧

「瑠奈子のキッチン」メモ

登場人物の名前の流用と、各種文学作品の引用に特色のある松尾由美作品のメモ。

なんだいミステリ研シリーズの一覧

光原百合先生の創作した、吉野桜子を主人公とし浪速大学ミステリ研究会(通称なんだいミステリ研)を舞台とする小説群の一覧の覚え書き。 〇「遠い約束」 創元推理文庫、桜子の大おじの遺言を巡る長編。 文春文庫「やさしい共犯、無欲な泥棒」に再録 〇「や…

古アレフガルド

ドラクエの世間では、ドラクエ1のマップであり、ラダトームや竜王の島のあるあの諸島の地名がアレフガルドであるのはよく知られている。 ただ、一部の設定では、上記の諸島をその一部とする、ドラクエ2のワールドマップ全体を指して、アレフガルドが用いら…

花は散るために咲くのか

「花は散るために咲く」という言い回しが、阿刀田高先生の小説「怪しくて妖しくて」に出てきた。原典は知らない。 かなり強い文句である。反感を覚えるし、反論したくなる。 しかし、これを逆にして(対偶ではない)、花は永久に咲くように出来ているか、と…

脳細胞の色

灰色の脳細胞は名探偵ポアロの、 ネズミ色の脳細胞は大泥棒のもの

SF的日付

月の10日を「とうか」、20日を「はつか」と呼ぶように、30日は「みそか」とも言い、転じて月の末日のこともそう呼ぶ。そして大まとめの年末は「大みそか」だ。 しかし思えば、かつての旧暦(太陰太陽暦)では月の日数は29日か30日に決まっており、31日という…

#いやらしいわねムーンちゃん

DC星のくず (@DC306DC) / Twitterさんが提唱したtwitterタグ #いやらしいわねムーンちゃん にインスパイアされたもの。うちの子でやるとお色気から外れてしまうのだ。 「いやらしいわね」ムーンブルクのムラサキが、眉間に寄せた皺で整った顔を乱しながら、…

「モーリスのいた夏」松尾由美・著

「モーリスのいた夏」の感想

道徳ある戦争

マイクル・ムアコックの「永遠のチャンピオン」に似た話になるが、こういうのを思い付いた。 AB二つの勢力があるとする。Aは、大量破壊兵器は保有しているが、それを使用して敵Bを全滅させるのはあまりに罪深いと躊躇していることで、AとBの通常戦争が成り立…

勇者の泉の水

DQ2の勇者の泉、あそこで祝福を受けるとHPが回復する。ラダトームの「光あれ」じいさんの先例もあるし、まあそんなものだと納得してきたが、実はあの水になにかあるから体力回復効果があるのではなかろうか。 まあ、疲れたところに冷たい水を飲む、それだけ…

ホラ吹く杖さん

杖立てに入って立っている「竜王の杖」と、彼(?)の話を聞いているロトの子孫三人組。 杖「この古傷は、竜王様とロトの勇者との決戦の折、ロトの剣をわが身で受け止めた時のもので云々」 ロウガ「木でできているのに切られなかったって、お前すげーな!!…

別れの場面

竜王の城の手前の岸辺に接岸した船、城へと去るリュオと、彼女を送っていこうとするサスケの背を見送りながら。 ムラサキ「あたしはついていかないわよ。あんた*1の顔もこれっきりだと思うと、せいせいするわ」 ロウガ「オレは一緒に送ってくる!」 ムラサキ…

ふるとり尽くし

近頃読んだ本に、「雅雄」という名前の人が出ていた。優雅の「雅」、雄雌の「雄」、どちらも普通に人名に使われる漢字だけど、並ぶとどちらも旁つくり が隹ふるとりなだけに、見ているとなんだか戸惑ってしまう。 そこでどうせなら、名字の方も「ふるとり」…

天円地方

「天円地方」という漢語は中国古代の世界観を示したものであり、天空は円形、大地は方形をしているという意味である(天空と大地の接合部はどういう形状になっているのか気になる)。世界の辺境を示す語に、「天涯地角」があるが、天の涯はてはともかく、地…