「廻転車」、ね

 四十年か五十年ほど前の翻訳小説を読んでいるが、しばしば言葉が古臭い。西洋慣れしていない。今回は、「廻転車」なるものが出てきた。「ジェットコースター」は「ジェット・コースター」なのに「廻転車」である。まあ、メリーゴーラウンドのことで間違いないのだろうが。テレビの機械を「受像機」と呼ぶような感じで、機能で呼んでいるわけか。
 メリーゴーラウンドが「としまえん」で営業しだしたのが1971年だというから、当時は一般的でなかったのだろうな。*1

 と、ここまで書いて、元の単語が"merry-go-round"*2じゃなくて「廻転車」にあたるような硬い言葉("whirligig"とか?)だった可能性に思い当たった。さて実際はどうなのだろう?
 また、されど、「ジェットコースター」というのは実は和製英語で向こうでは"roller coaster"だそうだから、つまりは訳語を当てていることになる。なら翻訳者は分かりやすい言葉として、わざわざ「廻転車」を選んだということなのか。

 

 ルビ含んで「競技用自動車レイス・カー」というのも出てきた。漢字で意味説明する必要があると考えられていて、しかも「レース」ではなくて「レイス」と来た!

*1:メリーゴーラウンド - Wikipedia

*2:"merry-go-round"ってつまりは「回って(go-round)楽しい(merry)」という、あだ名みたいなものなのか。