「秘密結社の時代 鞍馬天狗で読み解く百年」海野弘・著

 大佛次郎の「鞍馬天狗」を題材に、幕末から百年の日本の秘密結社を語る……はずだが、鞍馬天狗も小秘密結社、敵集団も秘密結社と呼んでみるばっかりで、その方面には深い話にならないところがビックリである。「鞍馬天狗」にも秘密結社にも詳しくなった気がしない。*1

 

 しかし、適当な題材を見つけて列挙するばっかりで深い話にならない、というのは自分の書く記事を見ているようで、反省する。

*1:むしろ、物語の舞台となる維新前後に、パリ・コミューンや小説が書かれた戦前戦後を重ねているという見立てのほうが有用ではないか。