古アレフガルド

 ドラクエの世間では、ドラクエ1のマップであり、ラダトーム竜王の島のあるあの諸島の地名がアレフガルドであるのはよく知られている。

 ただ、一部の設定では、上記の諸島をその一部とする、ドラクエ2のワールドマップ全体を指して、アレフガルドが用いられているそうだ。しかしそれは誤用の類いだろうとずっと思ってきた。

 しかし、地名は拡大することもある。県庁所在地の地名がそこの県名としても採用された事例はことかかないし、今の奈良県を指す「大和」は日本国の異名の一つでもある。アナトリア半島を指す「アジア」は大陸全体の名前となった。

 だから、諸島名かつ世界名であったアレフガルドが、世界のほうが広がるにつれて、範囲の異なる二つのものを指すようになるのはおかしくないと考える。

 ただその場合、広さの異なる両者を区別する言い方ができることもある。アナトリア小アジアと呼ぶ類いだ。

 アレフガルドの場合は、「元の」という意味を込めて「古アレフガルド」としたい。

 

 それにしても、創作での世界名というのは時に奇妙なものだ。作り手や受け手は、この現実世界やほかの創作世界があるのを知っているから区別のためにも世界に名前をつけたがる。しかしその世界に住むものの目になれば、普通は唯一無二のもので、ただ「世界」と固有名詞なしで呼ぶのが当然だろう。

 しかし、アレフガルドは違う。いわゆる「上の世界」という比較対象を持っているからだ。「ここは闇の世界アレフガルド」というセリフが代表的だ。