ロトの装備の動き(1→2)

 「竜殺しの」コロウは、いわゆるロトの装備5品のうち、盾以外の、剣・兜・鎧・しるしの4つを集め、竜王を倒した。

 その後、彼は後のローレシアへ旅立ったわけだが、ロトの剣ラダトームに残された。(平和が戻ったので)何かを倒すための武器は不要、守る助けとなる防具だけあればいい、というのが彼の弁だが、いまや武力と名声、さらにローラ姫を得て血統の権威まで兼ね備えた彼が、ラダトームに刃を向けるつもりはない、ということを示す意味もあったろう。とはいえ、結局独立した王国を築くことになるのだが。
 建国後は、当然ロトの装備は王家の象徴となった。

 コロウの3子がそれぞれ王国を築くに至り、ロトの装備も一つづつ分けられ、それぞれの王家の宝となった。サマルトリアには兜、ムーンブルクには鎧が譲られ、筆頭となるローレシアにはロトのしるしのみが残された。防具が譲られたのはやはり守護を期待してのことであろう。しるしがローレシアに渡ったのも、それこそがロトの血筋の証であり本家として譲れなかったためであろう。

 この後、もっとも見栄えのしない兜を受け継ぐことになったサマルトリアは、未発見のロトの装備・ロトの盾を探索し、それが発見されると盾を国宝とし、兜は「聖なるほこら」に奉納した。ロト所縁の4国のうち、筆頭のローレシアを差し置いて装備2つを持つのを憚ったためである。

 ロトの剣は、盗まれてラダトームより失われた。
 これを奪ったのは、竜王の孫・リュビであった。ロトの装備のうち唯一人の手によって成るがゆえに、ロトの子孫以外でも扱うことが可能であったのである。彼はこれを以って魔王と戦った。のちに彼の娘リュオによってロトの子孫に返還されることになる。

 ムーンブルクロトの鎧は、落城とともにハーゴン軍に持ち去られ失われた。ロトの子孫たちは、ロンダルキアに隠匿されていたそれを奪回することとなる。