Doragon's Quest(「竜王のひ孫と」原型)

 これは、「竜王のひ孫と」の元となった構想です。古いノートが出てきたので、ちょっと整理して書いておこうと思います。

 

○タイトル
 いうまでもなく「ドラゴンクエスト」のもじりですが、「ドラゴンによる探索の旅」の意味を込めてあります。

 

○設定
 善の神ミトラ(ネーミングは公式小説から)と悪の大神(シドーではない)が、「上の世界」・「アレフガルド世界」などを舞台とし、ルビス・竜の女王・ゾーマ竜王らの幹部を、送り込んだり現地の有力者を昇格させて争奪戦を繰り広げている。
 ただし、「魔王の爪跡」に代表される、世界を超えるワープトンネルを設けないと幹部級は移動できず、存在も維持できない。ワープトンネルは、大神であっても簡単には造りだせず、維持するにもトンネルの両側で大神と幹部が力を合わせることが不可欠なほど不安定である。魔王が倒されるとワープトンネルは消滅し、暗黒界から供給される力で生きている魔物たちは滅びる。
 ゾーマは特に強力な魔物であり、自らバラモスを上の世界に送り込みワープトンネル(ギアガの大穴)を開いた。このトンネルは最初ゾーマとバラモスにより、バラモスが倒されたのちは、勇者をアレフガルドに送り込みたい善神側(パワーソースはラーミアと6つのオーブ)と、上の世界に影響力を保ちたいゾーマの思惑が一致したことにより維持された。

 

○あらすじ
 竜王が倒されたのちも、竜王の子孫は暗黒界に生き残っていた(竜王が生まれることになる竜の女王の卵は、孵化前にゾーマの手により悪の大神に献上され、アレフガルド侵攻まで竜王は暗黒界で力を蓄えていた。アレフガルド竜王の一党が滅びたのちも、暗黒界で残留・支援していた一派は残存していた)。
 ある日、竜王の孫(ひ孫ではない)ナーガ(ネーミングはインドの竜神より)は、悪の大神よりアレフガルドに潜入し、不法に奪われたままになっている光の玉をラダトームより奪取する任務を受けた。それを果たせば、アレフガルド世界における魔王の座を与え、竜の女王・竜王の血を引く正当な支配者としてアレフガルド世界を与えようというのだった。
 小規模なワープトンネルで竜王の城跡地に送り込まれたナーガは、Ⅰ勇者の冒険を逆にたどるようにラダトームに至った。途中、生き残っていた有力な魔物のキメラ一族に認められ、ジョカ(ネーミングは中国の半人半蛇の女神「女媧」より)という名の回復系が得意な娘を仲間に得たりした。だが、冒険を進め見聞を深めるにつれ、ナーガは悪の大神に対し次第に不信感を抱くようになっていったのだった。
 その疑惑は、光の玉を手にかけた時に降臨したルビスの説明により確信へと変わった。
 ゾーマ竜王と何回も送り込んだことで力切れを起こし、魔王級の強大な魔物を送れるようなワープトンネルを開く力を失った悪の大神は、代わりに、ワープトンネルを作る装置を設置していたのだった。光の玉をその装置に加えることで、魔王級が通れるものになるはずだった。
 自分は捨て駒であった、それを悟ったナーガは、ラダトームから奪った光の玉とロトの剣を手に悪の大神に一太刀なり浴びせんとワープトンネルに乗り込む。悪の大神もまた、自らの影を迎撃に向かわせる。結果は相討ちであった。ナーガとジョカは魔王の影を死力を振り絞ってなんとか倒したものの、魔王の影の死に際の自爆でアレフガルドまで弾き飛ばされ、装置も破壊された。アレフガルドの危機は人間たちの知らないところで去った。