初野晴先生の作品に、『シレネッタの丘』というものがあります。さて、この「シレネッタ」って何のことなんでしょう? 正直わたしは聞いたことがないことばでした。
(以下ネタバレ注意)
答えを言ってしまえば、シレネッタというのは「人魚姫」のことでした。ただし、イタリア語で言うところのです。ミステリー小説ですからタイトルでネタを割らないためにも「人魚姫」や「リトル・マーメイド」ではなく、ちょっと迂遠な言い方を選んだのでしょう。
ただ、それなら元々のデンマーク語の、リレ・ハゥフルというのも十分聞きなれない言葉のような気もするのですが、なぜ選ばれなかったのでしょうか?
多分、言葉の由来が、ハゥフルも、マーメイドと同じく「海の乙女」なのに対し、シレネッタの元の形シレンはギリシャ神話の海の歌うたいセイレーンに由来するので、この小説のネタにふさわしかったからではないかと思います。
メモ
- Den lille havfrue ≒ the little mermaid
- sirenetta = sirena + etta