宴の終わりに

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 上は、どうもどこかから放送があったらしく、花見で酔っぱらってサスケにもたれかかって眠るリュオ、というのを私とももこさんと同時に受信して、描いてもらったものです。

 

 しかし、その次の日、ドキッとするコメント返しが!

 

>リュオさん目が覚めた時が楽しみですね~^^

 

 そう言われれば、書かざるを得ないじゃないですか。
 ああ、甘い物はもう結構。お茶が飲みたい。

 

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「……オさん、リュオさん」
「ん、んふふ、んふふふふ~」
「リュオさん、リュオさんっ もう上がりですよ」
「ふにゃ~、ハイなのじゃ」
「リュオさん!」
はにゃ?」
 竜王のひ孫・リュオが眠い目を開けると、サマルトリアのサスケの顔が逆さまに見えた。
 なんじゃ、夢か。
 リュオは再び瞼を下ろすと、この暖かい寝椅子に身を擦り寄せた。
「リュオさんっっっ」
 不思議なことに寝椅子が勝手に引くように動いた。ここちよいまどろみに茶を注されて、リュオはいぶかしげに薄く目を開けた。
 まだサスケの顔が見えた。どういうわけだか口の端で笑っている。
 リュオは、そぉっと上に見えるサスケの顔に手を伸ばした。
 ぺちっ。腕の先に頬の柔らかな手触りが伝わってきた。
「もしや……本当のサスケ殿?」
「そうですよ。目は覚めましたか?」
 失礼なふるまいを気にする様子もなく、サスケはにこやかに答えた。
 目が覚めるどころではない。リュオは今自分がとんでもない姿勢になっているのに気付いた。先ほどまで「寝椅子」だと思っていたのはサスケの体で、自分はそこに身を擦り寄せるような形になっていたのだ。
 反射的に身を離して……残っていた酒精にリュオは頭をふらつかせた。
「大丈夫ですか?」
 サスケの両腕がやさしく抱き寄せるままに、リュオはサスケの細身ながらしっかりと筋肉の付いた胸板に身を預けた。
 そして、回る目を閉じると、何があったか考えた。
 そう、サスケたちロトの子孫三人が彼らの命ずるままに船を運航してくれる船乗りたちを慰安する宴にリュオも招かれたのであった。
 「こんな美人がいるとは、サスケさまも隅に置けない」頭の遠慮ない言葉に、照れ隠しに慣れない酒をがぶ飲みしたのが悪かったのだろう。中盤から記憶が飛んでいる。しかし……。
 リュオはサスケの胸に頬をあてたまま、そっと囁くように訊ねた。
 「そのう……儂、酔ってへんなことを言わなかったじゃろうか」
 うろ覚えだが、慎みも遠慮もなく、サスケに好きだと心中を吐露してしまったような気がするのであった。ドクン・ドクンと心臓の鼓動が聞こえるのは、自分のものか彼のものか。
 「変なこと? 何も」
 サスケのそっけない答えに、リュオは自分の心が落ち着くのと同時に一抹の寂しさを覚えた。
 もしこの時リュオが見上げていれば、一瞬サスケの頬に朱が差すのを見る事が出来たろう。
 (全然変なことではないですよ)
 「ん、なにか言ったじゃろうか?」
 「いえいえ」
 その答えに、リュオは宴が終わる前のもうひと時、サスケの腕の中に納まっていることに決めたのだった。

 

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 えと、上のSSでは終始優位に立っているサスケですが、それには理由があります。なぜあの絵でサスケが少年ぽくどぎまぎしているか考えると、多分酔い任せにリュオがついぽろっと告白しちゃったのではないかと。で、それからちょっと時間をおいて落ち着いて態勢を整えたあとの場面というわけです。
 「こうして上から見るとリュオさんって結構胸大きいんだな……どきどき」とかだとどうしよう。

頂いた感想

春爛漫!!桜祭りですねww
電波万歳♪竜王様ありがとうございます^^
酔い潰れたリュオさん、もの凄く可愛い~ww
甘党の私としては嬉しい限りでございます♪
2010/4/8(木) 午後 10:23 [ ももこ ]