手で茶を沸かす

 鉄腕アトムの「ロビタとロビエット」の巻に、ロボット娘が手のひらに載せたポットを沸かしてお茶を給仕するシーンがある。ロボットならではの技能(「魔法」と言いかえても良い)と女らしさの結びついたいい描写だと思う。

 お茶の好きな魔法使いと言えばうちの子リュオもそうで、ぜひこの描写を取り込みたい。

 しかし、ドラクエには火や熱を操る魔法は、メラ系・ギラ系など豊富だが、攻撃呪文だけあって威力があり過ぎるように感じる。より弱い呪文を出したいが、どうしたらよいか? 二つの方向性が考えられる。

 まず、ドラクエの呪文は、メラ→メラミ→メラゾーマというように威力に応じて呪文の名前の長さが伸びていく傾向にある。と、すればメラやギラより弱い呪文は……「メ」とか「ギ」になるのか? 「メッ!」と言えば𠮟りつけのせりふか、武術で気合を掛けるときのせりふである。何か、違う。

 いま一つは、最古参の呪文であるホイミベホイミ、ギラ<ベギラマだけに見られるような、強調の文字(この場合は「ベ」)を付け加えることの逆である。つまり、緩やかな感じの一字を付けてみようということである。「小さい」の「チ」とか。「チギラ」「チメラ」か、悪くはない。